永久戦場・カンダータ
~永久戦場・カンダータ~
我、初めに創造す。
酷寒の環境に耐える強き肉体を持つ生命を。
我、百年の時を掛け、外敵を与えるも速やかに失敗を知る。
其れ等は強さ故、群れることを知らず、我が糧を産むこと無く、ただ大地を席巻す。
我、此れを許容せじ。
我、其れを滅ぼすことを決する。
我、最も強力な個体と同化し其れ等を絶滅せしめる。
我、次に創造す。
弱き肉体に群れる習性を持つ生き物を。
我、百年の時を掛け、其れ等に外敵を与える。
我、二百年の時を掛け、其れ等に社会を与える。
我、三百年の時の末、其れ等が生み出す糧が停滞したことを知る。
其れ等が作る強固な社会は、我が欲する糧に適さぬことを知る。
我、此れを許容せじ。
我、其れを滅ぼすことを決する。
我、最も強力な個体と同化し其れ等を絶滅せしめる。
我、次に創造す。
弱き肉体、、群れる習性、自己愛を持つ生命を。
我、百年の時を掛け、其れ等に外敵を与える。
我、二百年の時を掛け、其れ等に弱き社会を与える。
結果、其れ等は理想的な畜獣となった。
――怒り、悲しみ、恐怖、絶望、悔恨、旅愁
我、其れ等が産む糧に足るを知り、安閑を過ごすことを覚える。
三百年の時が過ぎ、畜獣に変化が生じる。
畜獣は外より来たりしものと接触する。
外より来たりしものは、我に新たな糧を与える。
我、それを歓迎し助長するも後に愚を知る。
外より来たりしものは畜獣共の知恵となる。
我、外より来たりしものの心より其れを知る。
我が想像超え、我に迫り、我が楽園を脅かさんと欲するもの達。
我、此れを許容せじ。
我、其れを滅ぼすことを決する。
我、知恵と言う名の病理に侵されし畜獣の処分を決す。