エピローグ~帰還の航海日誌~
航海日誌より
~カノ・リトルフェザーによる記録~
沈む陽を見ながらの夕餉。
乾いたパンにチーズ、豆のスープにさっき誰かが釣った魚。
初めは船酔いで喉を通らなかったりもしたけど。
海の上での食事にも漸く慣れました。
残された人々はこれまで以上に厳しい労働を強いられてるだろうか。
ジェローム団は博士を奪回しようとしてくるだろうか。
何にしても以前より激しい襲撃をしかけてくるのは想像に難くない。
帰ってからやるべきことはたくさんある。
パンを噛みながらそんなことを考えていると、
「スープが冷めるよ」
誰かの声がして皆の顔が視界に飛び込んできました。
今日まで行動を共にした人達。
これまで見たこともない外見の人、見たこともない能力をもった人。
集まった動機はそれぞれ違うけど、誰ひとり欠けることなく帰れることが急に嬉しく、頼もしくなって。
温かいスープの香りにホっとしながらパンを嚥下し、自分自身に言い聞かせるように言いました。
「港に着いたら仕切り直しですね やるべきことを、出来ることを、やりましょう」
~エルエム・メールによる記録~
いやー、ほんとすごい大立ち回りだったよね!
あ、それでねそれでね! エル、ジェロームポリスとか船でも踊りを披露したじゃない?
エルのファンの人がファンクラブ作りたいってさー!
んー、どうしよっかなぁ!?
あ、けどエルがこの世界を離れるとみんな忘れちゃうんだっけ……ちょっとがっかりだなぁ。
~ベヘル・ボッラによる記録による記録~
この船はガルバリュートさんが切り離したジェロームポリスの一部を曳航しているわけだけど、今日はそれの探検に行ってきたよ。
都市じゃ工場にいたばかりで好きに動けなかったからね。
この船のような構造体、探せばなかなか面白いものもありそうだし。
他の人も誘って、ちょっと裂け目の補強を手伝ってからもぐってみた。
上の方は毛布があったり作業していたり、人の気配があったけど、底の方に行くと音が響いてくるばかりでね。
で、その底の底で人をみつけた。海賊から隠れて細々と生活していたらしいけど、隠れすぎて、都市から離れたことにも気付かなかったそうだ。呑気だね。
今の状況を伝えたけどなかなか信じて貰えなかったよ。
出直したらまた面倒なところに逃げられそうで、数日一緒。
釣りの腕も達者で……人間って逞しいね。
他にも色々な工夫があって面白かったよ。
そうそう、暇なときにスピーカを幾つか設置して反響音を試していたんだけど、結構外にも響いたよね。
つまりごめん。あれはぼくだ。破損状況の調査だ、で誤魔化そうとしたけど結局怒られた。
完全に出任せでもないんだけどな。
~アルド・ヴェルクアベルによる記録~
ベルゼから林檎を貰った、それを齧りながら今、この日記を書いてる。
まったく、ベルゼのヤツ!
動力源を見つけ出して、期を見て破壊しようって言ったのは僕なのにさ!
まるで自分一人の大活躍みたいに思い込んでるよ、調子いいんだから……。
ベルゼへの愚痴はココまで。林檎貰っちゃったし。
ジャンクヘブン最強の海賊、ジェロームか……。
綾が直接対峙したって聞いたけど、綾、大丈夫だったのかなぁ。
日記を書き終わったら少し顔を出してみようかな、治癒魔法が役立ちそうだし、林檎のおすそ分けも兼ねて。
メイリウムの火事も酷かったなぁ……復旧にはもう少し時間が必要そうだね。
ああ……あんなに大きくなった炎の海……凄く、凄く怖かった。
まるで全てを食い尽くそうとしてる化け物みたいで……。
帰ったらオルグに話して、もう少し炎に慣れておかないとダメ、かなぁ。
少し……いや、凄く怖いけど……怖いままじゃ、多分、いや絶対ダメな気がするんだ。
日記ここまで。
さて、綾の様子を見に行こう。
~日和坂 綾による記録~
銃使いに2連続で負けた~! こうなったら特訓だ~!
派遣隊の銃使いの人に、蛍光ピンクの色水入り水鉄砲を渡して、ソレを避ける訓練をしたんだけど……頭から水浸しになった。
~太助による記録~
ながーい航海には退屈が付き物。
なもんだから、ちょっと「れくりえーしょん」とかいう奴で、一緒に脱出したコドモたちを集めて、かくし芸大会やったぞ!
俺はもちろん、変身芸。
リクエストを募ってばんばん変身したんだけど…小さい動物ならいいんだけど、でっかいのになるとどうしてもデフォルメ入るんだよなー。
イルカやクジラに化けると、必ず「ぬいぐるみー!」って叫ばれる。
しゅぎょーするべきか、悩むなぁ。
とはいえ、最終的には大人も交えての楽しいひとときになった、と思う。
寂しかったり、辛かったり。
そういうジェロームポリスでの記憶を、ちょっぴりでも癒せる手伝いになってたらいいのにな。
~山本 檸於による記録~
唐突に、甲板で『勝ち抜き異種格闘戦』が行われる事になった。何でだ。
飛び入り歓迎で、救出した人達も結構参加していた。ずっと狭い所で働かされていたから、良いストレス発散になったのかな?
俺はこれ以上ギアを使うと心が折れそうなので、この身一つで頑張ってみた。
代わりに体が折れそうになった。無謀な事はするもんじゃないと思った。
途中で意識が無くなったから誰が優勝したのか分からないけど、不安そうな顔をしていた。
人達もだいぶ元気になったみたいだ。よかった。
でも「明日もやる」と言われた時は、正直勘弁してほしいと思った。
~ガルバリュート・ブロンデリング・フォン・ウォーロードによる記録~
メイリウムに寄り、博士たちを送還する。やはり帰る場所があるというのはいいものだ。
拙者も早く帰る方法を見つけねばな。
それにしても聞いた話ではジェロームも機械にその身を固めていた様子。次にあったら格の違いを見せつけてやらねばな!
帰途では魚釣りに興じる者たちもいた。拙者も網を投じてみたら、宇宙怪獣なるものを捕獲してしまった。食用に足るのであろうか。
また、海獣類に出くわし皆と共に戯れる。久々に童心に返りイルカに乗った少年をしてみると、どんどん沈んでいった。拙者の筋肉は海豚には荷が重すぎたようだ。
夜の宴では拙者も久々に酔いどれた。揺れる頭で綱を引くのはさすがに危なっかしい。しかしそれもポージング研究をしているうちに癒える。
我々は一応の成功を収めたが、ヴォロス隊の首尾はどうなのであろうか?報告が楽しみである。その時は拙者の筋肉美を詳細に記録してもらえるよう司書殿に頼んでみるとしよう。
~エレナによる記録~
メイリウムで時間が取れて嬉しかったよ。
ジェロームのところで頭に入れてきたことをね、この街と博士に渡せたらいいなって思ったから。
時間が許す限りインプットしてきた研究所での記憶をありったけ書面に復元して、博士のおうちに運ばせてもらうの。
研究材料や資料って、検証する余地がある限りは、やっぱり手元に置いておきたいもんね。
学者だって探偵と一緒。
探偵だって、学者と一緒。
解けない謎があったら挑みたくなるよね。
だから少しでも役に立ちたいの。
沈没大陸や古代文明の事、メダルに描かれたシンボルの事、『滅びを避ける方法を見つけた』んだとしたらその方法、そんなたくさんの謎をあたしもいつか解きたいなって思ったよ。
~ジュリエッタ・凛・アヴェルリーノによる記録~
やれやれ、ジェロームポリスでは酷い目にあったのう。正直、ジェロームのあのような攻撃は予想外じゃった。
とはいえ、無事に怪我人も救出できたのは幸い。今後起こる戦争の手伝いもできれば良いのじゃが。
さてメイリウムへ寄港した際、ジェロームポリスでの脱出時宣言したとおり、この街でアリオとデートすることとなったのじゃ。
正直アリオはまだまだ頼りなく、わたくしにとっては同士といった感じじゃが、彼には助けられた面も多々ある。今後の成長に期待かのう?
まあデートといっても、街はまだ復興途中。商店で食べ歩きしつつ会話する程度じゃったがの。
二人共幼い頃両親を亡くし、高校生であること等、案外共通点も多かったのでな、自然と話もはずんだのじゃ。
夕暮れ時には一番高い建物に登り街の景色を眺めた所、その美しさに見惚れ時が過ぎ、今度は空一面星空になって流れ星が横切ったのじゃ。
何を願ったか? ふふふ、乙女の秘密というもの、それは内緒じゃ……お、この出来事は小説のネタになりそうじゃのう。
~シュマイト・ハーケズヤによる記録~
暇潰しに船の動力炉を改造してやろうと申し出たら、全力で拒否された。
失礼な話だ。わたしを誰だと思っている。
元の世界でわたしの技術協力を受けようと思ったら、船員を1ダースほど首にせねばならんのだぞ。
埒が開かんので動力炉はあきらめ、厨房でコンロを改造した。
これからは安全な大火力で、一層の美味い飯が食える。
船旅において食事は重要な楽しみだと、今回の旅で学んだのでな。
ささやかながら船賃代わりだ。
~ツヴァイによる記録~
なかなか陸に到着せず、食糧も少なくなってきた。脱出する時に人数分の食糧なんて確保するヒマなかったから、仕方ないっちゃ仕方ねぇんだけど……。
腹が減って動きたくなかったから、甲板で昼寝をしてた。食べモンの夢を見た。スパゲッティ、ハンバーグ、カレーライス……。最後に出てきた肉汁たっぷりのステーキにかぶりついたところで目が覚めた。他の仲間の足だった。怒られた。
ああ、それにしても腹が減った。釣り糸を垂らしても食うトコロの無い小魚ばっかり釣れるし、やってられない。こうなったらいっそ、キッチンに寄生してやがるゴッキーを食べるか……いや! 人間として、それはやってはいけない事だ。我慢我慢。……でも少しくらいなら……一匹くらいなら……いやダメだ!! もう少しの間だから我慢しろツヴァイ、でもやっぱ一匹だけならなn
~黒燐による記録~
故郷より蒼色が濃いけど、海っていいよねー。
やっぱり、新鮮な食材がいるって事で、釣りをしたんだー。
僕は、竿と針と餌を借りたの。糸は、トラベルギアであったからね。
早速開始したのはいいけれど、なかなか釣れなくて。時の運だってわかってても、アクビ出ちゃうんだよね。
そんな時に、引っかかったの! けど、引っ張られる力が強すぎて、海に落ちちゃったんだよねー……
とりあえず、引っ張ってきた魚は締めて気絶させたけど、どうやって船に戻ろうか悩んじゃった。
だって、食べられる魚ゲットしたし、でも大きくて重いし。誰かに手伝ってもらわないとなーって。
でもね、僕が落ちたことに気づいた船員さん達に手伝ってもらって、魚を無事に引き上げることが出来たんだよっ!
お魚、とっても美味しかったんだよ。お刺身とか久しぶりー。
ごちそうさまでした!
~フィン・クリューズによる記録~
気分転換に釣りをしとったら、何かやたらと同じ種類の魚が釣れるなぁ……。
と、思っとったら、海をのぞき見てみると、魚の大群移動が発生しとった!
この事について船員の人に聞いてみると、滅多に見れない光景らしくてなぁ……。
しかもこの魚を求めて様々な海の生き物も集まってくるとか!
滅多に見る事が出来んっちゅうから、折角やから海に潜って、その光景をしっかりと目に焼き付けることに!
海の中から見てみると、沢山の魚群の中に様々な海の生き物達が泳ぎ回っていて……。
ホンマに綺麗で、神秘的な光景やったなぁ……。
まさかこんな事に出会す事が出来るなんて、ボクらホンマにツイてるなぁ……。
ええもん見る事が出来たし、この航海に感謝やな!
~日奈香美 有栖による記録~
甲板で海風に当たっていると、ミルフィに
「折角ですから、最後にひと泳ぎしませんか?」
と誘われました。
そういえば、水着を持参したのに一度も使っていなかったです。
船に一旦停まって貰い、ミルフィや、ファニーちゃんと一緒に水着に着替えて海で泳ぐ事にしました。
私の水着は、青と白のギンガムチェック柄のフリルチューブトップの水着♪
ミルフィは……相変わらず大胆なビキニ(///)
泳いでいると、ファニーちゃんが小型化したヴィクトリカを持って来て、
「ちょっと乗ってさ、装甲フレームをパージして見て♪」
と、機体を渡されました。
大きくしたヴィクトリカに乗り、言われた通りにすると、装甲を外したヴィクトリカが、可愛い水着の布状装甲を付けていたんです。
「ヴィクトリカ、、とっても可愛いです、、ファニーちゃん、有難う♪」
私はヴィクトリカの側で、青く澄んだ海を一緒に泳ぎました。
ヴィクトリカも、とっても楽しそうでした♪
~柊木 新生による記録~
遠方に難破船を発見。
船員に訊けば、この辺りの海域は岩礁が多く潮の流れが入り組んでいて海賊に襲われたり嵐で座礁したりと海難事故が絶えないとのこと。
ちょうど引き潮の時間帯と重なったこともあり、錨を下して停泊する間、一部の者たちが難破船の探検をする話になったようだ。
難破船の中を探検など滅多にできないので、僕も保護者として同行することにしたのだが、どうやらその船は嵐に巻き込まれたものらしく、足場は脆くそこかしこに穴が開いていたり、白骨化した遺体が転がっていたりと、ちょっとした肝試し気分だったよ。
船倉で未開封のをワイン見つけたので持ち帰ったら、年代物だと言われて驚いたが、結局皆で飲んだ……というか飲まれてしまったよ。
何にせよ、今日はとても充実した一日だった。
この数日色々な事があったが、とりあえず当初の目標を果たせて何よりだ。
残りの航海の無事を祈って、今夜は筆を置くとしよう。
~ベルゼ・フェアグリッドによる記録~
食いすぎた、腹が痛い、つーか苦しい。
帰路に寄ったメイリウムでたくさんフルーツ買い占めて食ってたんだが。
買いすぎた、残りは土産鞄に持って帰るか。
そーいや、奇譚卿からも興味深いハナシが聞けたなァ?
ほら、冷たい石室で目覚めたっつう男のハナシだ。
なんつーか……奇譚卿自身を表してるようなハナシに感じなかったか?
他のヤツはどう感じてたんだろーな、後でちょいと聞いてみっか。
漂流船の海賊どもは弄りすぎたせいか、俺を見るなりひぃひぃ言うようになってた。
バカな悪さなんかすっからこんなコトになるんだ、ま、テメェらはまだマシなほうだがな。
メイリウムで手伝わせた分もあるし……海軍にはちょいと刑を軽くするよう言ってみるか。
次からは真っ当に生きるんだなァ、俺みてェな怪物に成り果てる前によォ……。
さァて、帰ったらどんだけの褒美が待ってんだろうなァ?
ジャロームポリスの動力源をブッ壊す程の大活躍だぜ、キューブに林檎の詰め合わせぐれェ付いててもいいだろォ? キシシシッ。
~ルゼ・ハーベルソンによる記録~
ジェローム海賊団の都を脱出してからこの日まで、あった事はここに書き切れない程多い。
まず初日は体調不良者の看護に当たってたっけ。そんなに多く薬も用意していた訳じゃなかったし、あれは大変だったなあ。ガルバリュート君から輸血用の血液も採取させて貰ったけど、いちいち変な声を上げるから落ち着かせるのに大変だった。
それから奇譚卿に礼を言いに行った時、過労で卿の目の前で倒れた子もいたっけ。もっと早く俺が気付いてやれれば良かったなあ。あの時は、奇譚卿がすぐに休めるような場所を用意してくれたのはありがたかった。お礼
にジェローム海賊団の都に侵入した時の話をしたけど、喜んでくれたようで良かった。
さて、もうすぐジャンクヘヴンだ。この船とももうすぐお別れという事になる。0世界に戻ったら、この派遣隊も解散だ。
願わくば、仲間とこの世界に光ある前途があらんことを。
~仲津 トオルによる記録~
ボクはもうダメかもしれません。
インドア派のボクはそろそろ体力の限界を迎えつつあった訳で。
熱っぽいし節々痛いし身体が重いし体調最悪。
ゆっくり寝てたいし医務室の人も寝てろって言ってました。
なのに水夫の皆さまがゲームに誘いに来たわけですよ。捕まってた人とかも誘って。
まァ疲れた顔見ておじさんが止めてくれたけどね。
「子供に無理させんな」って。
水夫さん達もはっとした顔して謝ってくれました。
……つまり皆様ボクの事を子供だと思っていたわけですよ。
ボク覚醒したとき25だからね?実年齢どうこうじゃなく本当に子供じゃないからね?
カチンと来たね! 受けてたっちゃったね体調最悪なのに!
結果ボクの一人勝ちでしたっ!
疲れで頭の配線狂ってたんだと思う。
そこで勝っちゃったせいでジャンクヘブンを目前にした今の今までロクに休めなかったんだよねぇ。
ちなみに巻き上げたモノは降りる時に全部返すよ。使い道ないし。
~三雲 文乃による記録~
ようやくこの航海も終わりに近づいてきたようだ。明日にはジャンクヘヴンに着くようだが、長いようで短かった航海だった。随分と柄にあわない立ち回りもした気がするが、たまにはこのような冒険もよいものだろう。お茶会にぴったりのよい土産話になったかもしれない。嵐の日を除けばまあまあの船旅だったと言えなくもないだろう。当初の目的も達したのだ、首尾は上々といったところだろうか。ジェロームの事については今考えても仕方がないし、今後何かあればまた世界図書館から召集がかかるだろう。それより今はメイリウムやルミナベルで手に入れた土産をどうやって持ち帰るかだ。ついついワインや美術品などあれこれ買ってしまったが持ち帰るのに手間かもしれない。しかし、まあその程度の苦労など美しい美術品と美味しいワインには変えられない。我慢する事にしようと思う。
………でも、一番の収穫はあの方とこの航海でお会いできた事かもしれませんわね。
~日和坂 綾による記録~
ジャンクヘヴンに着いた。
多分海軍に居るアラン宛てにラヴレター?を書いて、渡すのを依頼した。
「アラン、元気ですか。私はこの前、海賊ジェロームと戦ってコテンパンに負けました。もっと精進が必要みたい。ジャコビニ以外にもロステクとジャンクヘヴンを狙う海賊は居たんだね。アランもきっと海軍で頑張ってるよね?お互い負けないよう頑張ろうね」
~枝幸 シゲルによる記録~
奇譚卿の晩餐会から始まり、幽霊船騒ぎやら色んな事があったけどあっという間だった。
僕はこの派遣隊のメンバーと出会い、共に過ごした時間を忘れない。
結局ジェロームを説得する事は出来なかったね……。
出来れば争わない方法を取りたかったけど、お互いを思いやってないとそれは無理なんだよね。
……都市に取り残された人々はどうなるんだろう。
~飛田アリオによる記録~
これが最後の日誌!
今、ジャンクヘヴンの宿でこれを書いてる。明日のロストレイルでターミナルに帰れるみたいだ。
情報をまとめておこうかな。
とりあえず、ジェロームポリスから救出した人はメイリウムに滞在中。
ただし、ジャンクヘヴン海軍がメイリウムにしばらく駐留することになるって。都市の復興を手伝ったり、自分の町へ帰りたい人の足を手配したりしてくれるみたいだ。メイリウムから先の海域にも、海軍が巡回して警戒することになった。ジェロームは態勢を立てなおしたら動き出すかもしれないからね。
そうそう、スタンドストン博士と『石版』だけでも、ジャンクヘヴンで保護したほうがいいんじゃないかっていう話があって。博士もそのほうがいいかもしれないって思ったみたいだから、おっつけそういうことになるんじゃないかな。
あー、陸地にいるのに、なんかまだ揺られてるような気がするなー……
しばらくは、航海の夢ばっかり見そうだ。