VS世界樹旅団 モフトピアの会戦
オープニング
「みんな、ニュースだよ! 世界樹旅団に連れていかれた人たちの居場所がわかったの!」
エミリエが伝えた情報は、驚きをもってターミナル中に広まった。
「びっくりしたけど、モフトピアなの! いつのまにか、モフトピアの浮島のひとつに、世界樹旅団の基地がつくられてたみたい。……やることはわかってるよね? そう、トレインウォーだよ。捕まったみんなを助けにいこう!」
浮遊諸島・モフトピア。
光あふれる、かの穏やかな世界の一画に、その異形は屹立している。
みたところそれは、巨大な樹木の枝葉が絡まり合ってできた高い塔のように見えた。よく見れば、その根元にあたる場所には、見覚えあるロストレイルの車両が埋め込まれるようにしてあり、そして塔の周辺には銀色の円盤が行き交っている。
そして塔の頂上付近には、奇怪な灰色の、不定形の肉塊がとりつき、不気味な拍動を繰り返していた。おそらくワームだろう。
それこそ、世界樹旅団がモフトピアに築いたかれらの前線基地。
捕らわれた世界図書館のロストナンバーもこの中にいるはずだった。
この発見のキッカケになったのは、ロストレイル8号の戦いで、唯一、図書館側が敵方の捕虜を得ることに成功したことにある。世界樹旅団のツーリストと思われるその人物は、十代の少年兵といった風情の、平凡な容姿の若い男だった。
彼は完全に抵抗の意思をなくしており、問われるがままに、車両奪取後、旅団のツーリストは「空に島が浮かんでいる世界、ぬいぐるみみたいな生き物がいっぱいいる場所」で合流する予定であったことを明かしたのだった。その後、件の人物は疲労と恐怖のあまり寝込んでしまい、それ以上の情報は引き出せなかったが、世界司書たちが予言の端緒とするには十分な手がかりであったのだった。
「トレインウォーを発動することには異論はないわ、もちろん」
館長アリッサは言った。
でも、とレディ・カリスを見遣る。
「向こうに捕まっている人がいる以上、慎重にならざるをえないでしょ? たとえばもし、向こうがみんなの命を人質にとったとしたら?」
「それはないでしょう」
にべもなく、レディ・カリスは言った。彼女自身、今回の襲撃に巻き込まれたからか、その美しいおもては憤りにみち、一片の慈悲も浮かんでいなかった。
「どうしてそう言えるの?」
「非合理だからよ、アリッサ。いえ、アリッサ館長。これはもはや戦争なのですよ? たった9人の人質を持ちだして、それで、われわれが反撃の手をゆるめるとでも?」
「で、でも……! まさか、もしそうなったとして、みんなを見捨てるなんて、そんなことは言わないわよね?」
「……。その誰から見ても合理的な決断を、われわれが取れないかもしれない集団だということを気づかれないうちに、戦いは終わらせなくてはなりません、館長。今回のトレインウォーは電撃作戦を提案します」
レディ・カリスは言うのだった。
かくして、すみやかに作戦が準備される。
ディラックの空の彼方より来襲し、牙を剥いたロストナンバー集団、『世界樹旅団』。その詳らかなることもわからないままに、さらなる激突の時は近づいていた。
ご案内
突如としてロストレイルを襲撃したロストナンバー集団『世界樹旅団』。奪取された車両と捕らわれた人々は、モフトピアに建設された敵の前線基地にいることが判明しました。世界図書館はトレインウォーを発令し、すみやかに敵拠点を制圧し、車両と仲間を奪還する電撃作戦を実行します。
このイベントはフリーシナリオ形式で行われます。
※このイベントはフリーイベントです。どなたでも無料で参加できます。部分参加・途中参加もOK! お友達と誘い合わせての参加も歓迎です。あなたの行動が物語を創っていくPBWの醍醐味を体験してみましょう。お気軽にご参加下さい!
■参考情報
■「トレインウォー」とは?
世界図書館が、世界群の秩序に大きく影響を与えると判断した事案に対して発動する特別な作戦、それがトレインウォーです。トレインウォーにおいては、通常は移動手段としてのみ用いられる世界間鉄道ロストレイルが戦力として投入されます。また、世界司書が指揮官として現地に派遣されます。「トレインウォー:モフトピアの会戦」の担当司書はリベル・セヴァン(5号に搭乗)、シド・ビスターク(2号に搭乗)、エミリエ・ミイ(11号に搭乗)の3人です。
フリーシナリオ
作戦本体はフリーシナリオとして行われました。
→フリーシナリオとは? フリーシナリオはイベント時などに募集される特別なシナリオです。無料で参加できますが、プレイングは200字までとなり、登場できるかどうかはプレイングの内容次第です。 |
■作戦概要
今回のトレインウォーの目的は「世界樹旅団に捕らわれた9名のロストナンバーの救出」および「奪われたロストレイルの奪還」です。
●捕らえられているみなさん ガルバリュート・ブロンデリング・フォン・ウォーロード(cpzt8399)、鰍(cnvx4116)、小竹 卓也(cnbs6660)、ムシアメ(cmzz1926)、日和坂 綾(crvw8100)、三日月 灰人(cata9804)、ヌマブチ(cwem1401)、ギルバルド・ガイアグランデ・アーデルハイド(ccbw6323)、ツィーダ(cpmc4617)
※このみなさんは、フリーシナリオには参加できません(プレイングを送信しても無効になります)。 |
今回のトレインウォーは各選択肢の選ばれた「割合」(定数ではなく)によって、結果が変化します。結果のパターンの中には世界図書館にとって厳しい局面となるものもありますが、「失敗」とはとらえずに、変化する展開をお楽しみいただければさいわいです。
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戦いの結果まとめ
■参加状況
選択肢 | 選ばれた割合 |
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巨大ワームと戦う | 22% |
円盤群と戦う | 10% |
仲間を救出する | 17% |
ロストレイルを回収する | 13% |
敵基地内で情報収集を試みる | 18% |
アニモフたちを避難させる | 11% |
後方で待機する | 9% |
参加者の役割分担は、非常にバランスのとれたものでした。その結果、
・ワーム「バンダースナッチ」は完全に殲滅されました。
・捕まった仲間を含め、死者はいませんでした。
・ロストレイルの車両はすべて奪還できました。
・捕まった仲間のうち7名はその所持品・セクタン含め帰還しました。
・アニモフに被害はありませんでした。
しかし、撤退する円盤群は多くを逃してしまうことになり、敵側の捕虜をとることはできませんでした。(先の襲撃事件で確保した捕虜が1名、ターミナルにいます)
■捕まっていた仲間について
襲撃事件で敵に捕まった9人の仲間たちは、世界樹旅団に取引をもちかけられていたことがわかりました。そしてその結果、三日月 灰人(cata9804)とヌマブチ(cwem1401)のふたりは、世界樹旅団のロストナンバーとともにかれらのもとに向かってしまったのです……。