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【儀式室】
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ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2011-07-12(火) 10:09 |
【儀式室】と書かれた看板の示すゲートをくぐると、空気はまるで一変する。
そこは、大型のコンサートホールほどはあるだろうという大広間。 長方の立方体で構成されたその空間は全て黒曜石で作られており、 磨き抜かれた壁や天井はまさしく魔術行使のための空間と呼ぶにふさわしいそれだ。
天井を見ればセフィロトの樹を模した大型の魔方陣が目に映る。 壁を見ればびっしりと事細かに刻まれた魔術回路の溝も走り、 溝をふと観察すればその細かな溝に魔力が走るたびに光を発しては消えていく。
そして、壁に時として浮かんでは消える死者の顔(デスマスク)。 それは、このチェンバーの歪みの表れであろう。 悪魔のものであったり、時としてヒトとして区別すらつかぬ顔のそれ。 それは、このチェンバーが暴走した時の哀れなる犠牲者の物であるとの噂がある。 そんなチェンバーに住む主も酔狂といえば酔狂になるのかもしれない。
また、ここにあてがわれたゴーレムも祭儀用に作られた特殊な存在であり、 魔力加工と詠唱の補助を行う機能を与えられている。
床もそれは例外ではない。びっしりとドット打ちされたように事細かな溝が打たれ、 床全面が時の主の意思にしたがって魔道を形成するように作られたその床は、 今か今かと使用者と主の帰還を待っている。
主はここで、神代の武具を生み出したり、魔道具を生み出して来るべき戦いに備えるのだ。 それは、全て勝利と栄光のために。
---------------------------------------------------------------------- 特殊雑談スレッドです。魔法は用法用量を守って正しくお使い下さい。 魔道具製造など、色々な使い方ができるでしょう。お任せします。 |
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パズルピースを当てはめる。そこにあるのは、魔術師の流儀。
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ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2011-08-02(火) 08:41 |
(深き概念の海は時として告げざるべき真実を孕む。 主も主だ。今まで、様々な相手と邂逅し、触れ合い、そして害なすものを屠ってきた。 しかし、此度の様な相手は正直初めてと言わざるを得まい。 禁断の扉の先は戦慄の事実。悲しき記憶と封ぜられるべき存在概念。 この記憶を綺麗にデフラグメンテーションし、 冷酷なる事実を有るべきピースとして戻せば全て後は完了する。 しかし、それをそのまま出すのは正直、料理人としてもまずいものだ。 素材があまりにも酷薄過ぎた。人格形成にも大きな障害を来たしかねない。 故に。主は事実の糸を紡ぎ、その記憶を柔らかなものに変えていこう。 思い出は、時として美しすぎて。故に、酷薄だ。)
――そう、か。そう、だったんだね。 ……じゃ、元のあるべき形に、帰ろうか。 自由に大空を飛ぶ、幸せの青い鳥で、共にあろう。
――『高速詠唱』(ファスト・キャスト) ――『記憶装飾術』(アクセサル・メモリアエ)
(今までの記憶概念より引き出した情報と、精査された朧気な情報。 そして、弾かれた情報の幾つかをつなぎあわせ、主は一つのタペストリを織り込む。 彼女との出会いから別れ、そしてAIとしての独立に至るまでの流れを。 主は、そっと記憶の奥へと押し入れたのだ。
せめて、この美しすぎる思い出にふさわしい夢を。 朧気な記憶からより鮮明に徐々に移り変わるような、遅効性の記憶として。 そして、原形質の記憶は本人の記憶の海にボトル入りの手紙として、 来たるべき時が来たならば、それが流れ着くように。 そっと、主は装飾を施して記憶の海へと放流する。 それは、主が施してやれる僅かながらの優しさだった。
そして、全ての術式を行い、魔術の門が閉じる。 記憶の海からの帰還。しかし、もう肉体はギリギリだ。 いつ、朽ち果ててもおかしくはない程に、錆が浮き始まっていた。 魔術影響による劣化の影響が激しいのだ。 しかし、まだ終了術式は残っている。帰るまで、まだ終えられない。)
――全魔術工程終了。これより術式の終了を開始する。 ――現行の肉体に置いては術式終了後放棄。 ――原形質の肉体と置換する。
――Golem。二名は術式終了手続開始。 ――残る二名は肉体の再構成術式入れ。
――『儀式詠唱』(セレモニアル・キャスト) ――『肉体再誕』(ボディ・リヴァース) ――『終了魔術』(エンド・スペル)
(魔術の残骸をかき集め、壁面にある死者の顔を打ち砕き、 これを魔術の材料として肉体の再構成を開始する。 そして、全ての魔術が終わるその時。立っているものは。
もはや錆だらけの肉体となった自分と、新たな肉体。 そして、すべての記憶が有るべき形で戻った幸せの青い鳥だ。) |
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電気鳥はヒトの夢を見るか?
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ツィーダ(cpmc4617) 2011-08-04(木) 08:13 |
>システム再起動 大規模な記憶領域への追加データを受け、それを受け入れるためにAIの基本システムが再起動を実行。 記憶領域を精査し、矛盾のある記憶を無効化する。 その記憶領域に新しく追加された記憶。 今は凍結されているが、時が経つにつれ、少しづつ氷が解けていくだろう。
『はじめまして。わたしは早坂ことり。』 『ことり…』
始まりの記憶が再起動中のツィーダの中で読み込まれる。 人でいう夢にあたるのだろう。
>システム起動 「…おはよう」 再起動が終わり、幸せの青い鳥は目覚める。 「なんかさ、懐かしい夢、見てたかも」 |
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Yes. モノは全てヒトとの夢をみるものだから。
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ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2011-08-07(日) 04:25 |
(魔術の終了を自らの力を持って履行し、全ての魔術が掻き消えたその時。 幸福なる目覚めを果たした幸せの青い鳥を見て、主はふっと笑う。 体はすでに朽ちかけている。よく持ったものだ。 電子機器との相性の悪さがよく出ていたというのに。吹き飛ぶ一歩手前。 自分の幸運に感謝せずにはいられない。そんな中で。)
……ナツカシイ……ユメ、カ……。 ……イイユメ、ミレタカナ……?
(ギシギシとサビで動かぬ顎を動かして。そんなことを、主は言う。 芯まで錆びた体だ。これ以上動くことは叶うまい。 そんな思慮を、浮かべていた。 早めに、肉体を移し変えたほうが良さそうだ、と。) |
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人造鳥(アーティフィシャル・バード)の根幹定義(プリセットカーネル)
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ツィーダ(cpmc4617) 2011-08-13(土) 01:36 |
「そうだね、いい夢、だったかな。」 再起動中に読み込まれた記憶の欠片を思い起こし。 「もっとその先を見てみたくはあるけど、そう焦るもんでもない、かな」 それに、直感ともいうべきものが告げている。 氷に包まれた記憶の奥には見ない方がいいものがある、と。 だが、失った記憶を取り戻すと決めた以上引き返すことなど出来ない。 彼、あるいは彼女は興味を根幹部分(カーネル)に強く定義されたからこそ、優しい偽りよりも、残酷な事実を選ぶのだ。 「…ところでさ。すっごくサビが酷いんだけど…そんなボディで大丈夫か?」 |
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魔術師(マジシャン)なりのやり方(プレゼンテーション)。
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ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2011-08-22(月) 09:47 |
(錆だらけの体。すでにもう動くことは叶わない。 相手の声だけが耳に届いては聞こえている。 心配するのももっともだ。よくわかる。 しかし、その心配をしなくてもいいように、主はすでに手を打っていた。 肉で出来た新たな体。魔術を念じるだけで後はいいのだから。)
――『念動詠唱』(サイ・キャスト) ――『肉体置換』(ボディ・チェンジ)
(錆だらけの体を魔術で脱ぎ捨て、新たな肉体へと己の魂を転移する。 その刹那、錆だらけの元の肉体は崩れ落ち、ただの鉄塊へと還るのだ。 全く、よく持ったものだと思う。
肉体が無事移ったのを確認するように、軽く手を握っては離し。 少し重くすら感じる肉体の感覚に、ほっと胸を撫で下ろす。)
一番いい肉体を頼む。ってね♪ 大丈夫。手は打ってあったからさ。
記憶はのちのちゆっくり戻るよ。焦る必要なんか一つもない。 あとは真実を知った後、固定概念を君が破れるかどうか、さ。
――全術式終了。幸運を祈るよ。トリさん。
(そう、主は笑顔で術式の終了を告げて、去る。 遠くない未来、残酷な別れが待っていたとしても――。 その先に、進まんがために。) |