朱い月に見守られて
この世界は、滅亡しました。
現在、「朱い月に見守られて」の残滓である大地が「竜刻の大地・ヴォロス」の一部となってわずかに存続し、かつての住人の一部が真理数を失い、世界図書館が発行する「難民ビザ」によって消失を食い止めた状態でながらえています。世界の滅亡にまつわる経緯などは下記を参照して下さい。
以下には、かつて単独の世界として存在していた頃の情報を記載します。
「朱い月に見守られて」は犬族と猫族が古来より戦争を続けている世界です。地上は荒涼とした大地で、生身の生物が生存できない真空です。また、重力は壱番世界の1/6で、動かない巨大な朱い月に照らされています。人々は危険な地上を避け地下都市を建設してそこに住んでいます。
地上にはドームに覆われた都市もいくつかありますがその多くは破壊されてうち捨てられています。
それぞれの地下都市は犬族と猫族のいずれかが支配しており、それぞれ独自の文化をはぐくんでいます。都市間の移動は、マスドライバーで地上を飛ぶことによって行われています。水と空気は貴重な資源で重要な交易物資です。
犬族と猫族は価値観が全く相容れず、太古より戦争を続けています。戦争はマスドライバー軌道を機動兵器によって占拠することによって都市の交易路を寸断することが主流です。大規模な都市間戦闘になるとマスドライバーによる直接攻撃もありえます。最近は、地上を走行できる移動要塞による上陸作戦も行われています。
とにかく、軌道が各都市の生命線になっています。
■「朱い月に見守られて」の住人
【猫族】
猫族は壱番世界の猫とほとんど同じ外見をしています。彼らはしゃべることができ高度な知能を有しています。どことなくインド的な文化です。
猫族は「擬神」と呼称している人型ロボットを製造して、ロボットにすべての労働をやらせています。猫族は一般的に享楽的な性格をしており、戦いを好みます。猫族同士の争いも多く、猫族は都市ごとに独立した部族社会を形成しており、一つの都市に複数の国家があることも珍しくありません。
猫族は同族に余り関心を持たないうえに、多産なので命の価値は軽んじられています。また、環境整備にも余り関心を持たないので、ジャングル化したり、放棄された区画がちらほらあります。
【犬族】
犬族は身長100~200cm程度の大小様々な人型をしており、いわゆる獣人です。全身に毛が生えており、犬耳を有してひげもあります。しっぽはあったりなかったりします。しゃべることはできますが頭はそんなに良くありません。
犬族の社会は祭祀職を頂点とする厳格な階級社会で「犬日本帝国」を構築しています。また、すべての犬族は、成人するときに儀式により「神の声」が聞こえるようになっており。神の助言を受けることにより猫族と比較して劣る知能をバックアップしています。
犬族は種族全体の利益を優先するので個々人の命の価値は軽んじられています。しかし、医学は案外発達しているのです。また、環境整備に強い関心があるので整然としていますが、個々人の幸福はあまり追求されません。
犬族には犬族は神々に模して作られたという伝説があり、神々の降臨を待ちわびています。犬族の中には自らの手で神々を復活させることを目標にしている者もいます。
■「朱い月に見守られて」のテクノロジー
世界の物理法則は壱番世界に酷似し、壱番世界が23世紀頃に到達できるであろう技術レベルを有しています。資源利用、機械、電子、技術は高度に発達しています。一方で超能力、超光速移動、重力制御、縮退炉などの超科学技術はありません。また、魔法もありません。
猫族は優れたロボット技術と人工知能技術を有しています。しかし、猫の肉体は美しいという考えにより、サイバー技術は研究されていません。また、猫は孤高なので通信技術には興味がありません。
犬族はサイバー技術、通信技術が発達しています。しかし、ロボット技術は神聖冒涜として堅く禁止されています。人工知能技術は必要ないので持っていません。
■「朱い月に見守られて」で行う冒険
ロストレイル号が「フォンブラウン市」に漂着したことで、この世界に混乱が始まっています。
ロストナンバーを神と崇める犬族と、関心の無い猫族との間で対立が深まっているのです。また、それに便乗して活動をはじめた、雑種同盟なる組織も確認されています。
図書館は犬族猫族の融和に向けて動き始めていますが、そのためには、謎めいたこの世界の成り立つを解明する必要があるかもしれません。
「朱い月に見守られて」で行う冒険は『紛争の解決』『世界の解明』がメインと言うことになるでしょう。その他、犬猫と遊ぶ機会もありそうです。