竜星の戦い
オープニング
世界『朱い月に見守られて』が滅び、住民の住む惑星――竜星がディラックの空に墜ちたと言う急報が0世界に届けられた。
図書館が始まって以来、人の住む世界が外からの攻撃によって滅んだことが初めて観測されたことになる。
攻撃したのは旅団が密かに開発していた虚幻要塞『叢雲』。
これはヴォロスの古代竜……つまり竜刻とワームを融合させた戦略級兵器だ。図書館はこの脅威に対処すべく作戦を展開していたが、不測の事態が重なり、虚幻要塞を完成させてしまった。
虚幻要塞『叢雲』は巨大な竜の姿をした要塞だ。素体はヴォロスの台風であって、全長は数千kmに及ぶ。神話の時代より、ワームの侵入からヴォロスを守護してきた古代竜の遺志。
報告によれば、完成した『叢雲』は既に一つの世界を吸収し、今もなお、原住民の住んでいる星を一つ食べている最中だ。せめてもの救いは、虚幻要塞が旅団のコントロールから離れてしまっていることだ。多数のナレンシフが撃沈されたことにより、旅団も近寄れないでいる。ドクター・クランチは逃亡したとの報告が入っていた。
青みががった顔をますます青くしたリベルが集まったロストナンバー達に伝えた。
「これよりワーム融合体『叢雲』を蝕級無窮ワーム『マーチヘアー』と呼称します」
――蝕級!
アリッサが声を上げる。
「月兎でマーチヘアーよ。世界群の危機だから……蝕級無窮ワーム『マーチヘアー』を攻撃して破壊してください。もちろんトレインウォーよ。気をつけて。たぶん、あのワームは世界樹そのものと同じくらいの脅威よ」
――世界樹!!
どよめきが広がる。今までのトレインウォーとは桁が違う強敵だ。
作戦指揮官として宇治喜撰241673が任命された。通訳……としてクゥ・レーヌが選任される。
そして、茶缶の演算ユニットはコアへの強襲を提起した。
§現地情報
『朱い月に見守られて』は世界繭にひびが入り、そこから虚幻要塞『叢雲』に世界繭を破壊された。
世界繭を失った裸の世界はディラックの空に飲み込まれ、最大情報量を有する天体――竜星に叢雲がとりついている。
「こちらを見て欲しい」
作戦図がスクリーンに投影された。ディラックの空、付近の海図である。
天体――竜星が描かれている――犬猫達の住んでいる小さな星だ。それに対して巨大な竜――『叢雲』は星をすっぽり包むような大きな翼を広げ、かぎ爪を大地に突き立てていた。
――こ、これ……大きさ……
「マーチヘアーの全翼長は壱番世界の大陸一つの大きさ。元々はヴォロスの台風の化身だからね。壱番世界の月と同じ大きさの竜星より大きいから」
――まるでテューポーンね
竜星のコペルニクス・クレーターとその周辺が丸ごとえぐられているのがこの縮尺でも描かれている。これは虚幻要塞のドラゴンブレスを受けた跡だ。叢雲は竜星の裏側から巨体をのりだし、左右のかぎ爪は嵐の大洋と、アペニン山脈を掴んでる。
白衣のクゥ・レーヌがスクリーンにレーザポインタを向けた。
「胸部に高エネルギーの収束が観測されている。ドラゴンブレスには気をつけてね、特に口の近くは危険。この世界を象徴していた『朱い月』はそのドラゴンブレスで破壊されたんだから。直撃を受けたらロストレイルは一瞬で消滅する」
そして、耳穴のところに矢印が表示された。
「マーチヘアーから逃れてきたロストナンバー達はこの耳の穴から脱出したことが解析でわかった。ここから侵入できると思う。また、コアは脳の中でも前の方にありそうだ。ここを制圧すればマーチヘアーを破壊、もしくは支配できると……宇治喜撰は言っている」
§作戦概要
「マーチヘアーには巨大な竜刻で作られたコアがあり、それが全体を統率しているという情報だ。よって、キミ達にはコアの破壊をめざしてもらう。コアにはヴォロスで暗躍していたマスカローゼがいるものと思われる。さらには叢雲の意思そのものとの直接の戦闘になる可能性がある。
よって精鋭による「コア破壊決死隊」を募りたい。非常に危険な任務だ。過去に叢雲と接触した経験があったり『朱い月に見守られて』で旅団と戦った経験があることが望ましい。
なお、コアには川原撫子が捕らわれている。できれば彼女を救出して欲しい。これは私からのお願い。
コアが破壊された後の虚幻要塞がどうなるかは予測がつかない。各人の独断専行を期待する」
「それから、決死隊が進む道を開く戦士が必要だね。この「主力攻撃隊」はマーチヘアーに侵入して、敵を引きつけて欲しい。
情報によれば、マーチヘアーの体内には竜刻で作られた巨人が徘徊している。この巨人はワームと融合してより凶悪になっている可能性がある。また、フィラデルフィア計画なる瞬間移動機構が備わっているという。部隊がばらばらになるおそれがあるので注意」
「最後だが『朱い月に見守られて』の住民をできる限り救出したい、竜星の各地に住民が隠れているので探し出して保護して欲しい。
もちろん、住民の全てをロストレイル号には乗せられない。何か対策を考える必要があるな。皆のアイディアを求めたい。例えば、竜星には多数の地下都市があり、現時点では地下に深くに隠れている限りはワームの脅威も避けられるんじゃないかな」
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→ Eclipse class Infinite Wyrm is growing fast, Attack and Destroy
「私は、ロストレイル4号(蟹座号)で宇治喜撰と一緒に指揮をとる。異変があったらすぐに知らせてくれ」
ご案内
『竜刻の大地・ヴォロス』と『朱い月に見守られて』、ふたつの世界を股にかけた世界樹旅団の陰謀は、旅団の思惑さえ超えて、『朱い月に見守られて』を壊滅させるという事態に及んでしまいました。旅団はすでに撤退していますが、誕生した超巨大なワームを捨て置くわけにはいきません。
世界図書館はトレインウォーを発令し、超巨大ワームの排除作戦を敢行します。
このイベントはフリーシナリオ形式で行われます。
※このイベントはフリーイベントです。どなたでも無料で参加できます。部分参加・途中参加もOK! お友達と誘い合わせての参加も歓迎です。あなたの行動が物語を創っていくPBWの醍醐味を体験してみましょう。お気軽にご参加下さい!
■参考情報
→これまでの経緯
■「トレインウォー」とは?
世界図書館が、世界群の秩序に大きく影響を与えると判断した事案に対して発動する特別な作戦、それがトレインウォーです。トレインウォーにおいては、通常は移動手段としてのみ用いられる世界間鉄道ロストレイルが戦力として投入されます。また、世界司書が指揮官として現地に派遣されます。「トレインウォー:竜星の戦い」の担当司書は宇治喜撰241673です。また、宇治喜撰が何を言っているのかわかりにくいため、今回に限りロストメモリーのクゥ・レーヌが特例で同行します。
フリーシナリオ
作戦本体はフリーシナリオとして行われました。
→→→結果
→フリーシナリオとは? フリーシナリオはイベント時などに募集される特別なシナリオです。無料で参加できますが、プレイングは200字までとなり、登場できるかどうかはプレイングの内容次第です。 |
■作戦概要
今回のトレインウォーの目的は、このままでは世界群を次々に浸食していくおそれのある超巨大ワーム「マーチヘアー」を殲滅することが第一です。同時に、「現地に取り残されているロストナンバーの救出」および「滅亡した『朱い月に見守られて』の住人の救助」も行われます。滅びた世界の住人が今後どうなってしまうのか、どうするべきかという問題は作戦後に話し合われるでしょう。
■参加方法
プレイング受け付けは終了しました。
■選択肢
【1】「コア破壊決死隊」として参加する(危険度:大)
ドリルを装備したロストレイル2号車(牡牛座号)でマーチヘアー=虚幻要塞『叢雲』の最奥部に侵入します。ロストレイルが一番奥まで送り届けてくれるはずです。過去に叢雲に接したことのある方のほうが有利かもしれません。
【2】「主力攻撃隊」として参加する(危険度:中)
マーチヘアー=虚幻要塞『叢雲』の中の至る所で破壊活動を行います。ロストレイル1号車(牡羊座号)はマーチヘアーの耳穴から侵入して皆さんを揚陸していきます。併走する「コア破壊決死隊」を守る役割も担っています。
【3】「難民救助隊」として参加する(危険度:小)
『朱い月に見守られて』の主たる大地であった竜星には、パニックを起こした原住民(犬猫)が各地にいます。ロストレイル10号車(山羊座号)が各地を巡りますので、住人を保護し、退避させます。
【4】ディラックの空で活動する(危険度:?)
何らかの手段があればマーチヘアー=虚幻要塞『叢雲』を外部(ディラックの空)から攻撃することもできるかもしれません。一部の原住民(犬猫)は武装しているので、それを利用することも考えられます。その他、ほかの選択肢にはない行動をする場合はこちらを選んで下さい。※プレイング内容によっては登場できない可能性が高いことをご承知ください。
●特別ルール シナリオ『【竜星の堕ちる刻】流星会戦』に参加された方々はノベル終了時の位置状態から始まるため、選択肢が制限されるなどします。プレイングが送られなかった場合は、「現状で可能な限りの努力をした」ものとして扱います。また、関連シナリオ以外においてステイタス異常になった方は今回のイベントには参加できません。 →参加制限のあるみなさんの情報はこちら! |
これまでの経緯
■魔神、老人、そして竜
ヴォロスに重なるようにして存在する空間で、世界樹旅団が竜刻を使用したファージを製造しているという予言が、司書によってもたらされました。
これを受けて急行したロストナンバー達は、そこでかつて対峙した後消失した魔神メンタピ、そして仮面の少女――マスカローゼと再会したのです。この闘いで、ロストナンバー達は要塞の破壊に失敗したものの、世界樹旅団の研究員となっていたメンタピを捕獲することに成功しました。
同時期、ロストナンバー達はヴォロスの地で一人の老人と出会います。彼は自らの身体に宿る竜刻をコアとして、数多の竜刻を連動させることで、失ってしまった『神』となる運命を取り戻そうとしましたが、道半ばでモンスターと化し、ロストナンバー達によって討たれてしまいます。
■朱い月の秘密
ワーム侵入が預言され、ロストナンバー達はセカンドディアスポラにより発見された世界、『朱い月に見守られて』の地へと向かいます。
その旅で、ロストナンバー達は朱い月の秘密、そして遺跡の持つ役割を知る事となります。
朱い月は時空ゲートとしての役割をもち、ロストレイルが発着場としていた遺跡は、ゲートへと向かうマスドライバーであり、ゲートの向こうディラックの空のどこかにいたはずの『神様』へ、自分達の位置を知らせる為の通信施設だったのです。
■魔法少女大隊崩壊
世界樹旅団の根城となっている朱い月の世界の都市、田中市。
魔法少女大隊の主力が当該都市を離れる事を察知した世界司書宇治喜撰の考案による敵方の将、長手道提督確保作戦が結構されました。
結果的に魔法少女大隊の根拠地となっていた田中市から世界樹旅団勢力を駆逐するに等しい戦果を挙げ、尚且つ長手道提督と魔法少女達を共に捕虜とします。
しかし、同時に「修正Mプラン」と名付けられた作戦の存在が明らかとなったのです。
■ヴォロス擾乱
ヴォロスの一地方、アルヴァク地方において、マスカローゼの分体による都市への襲撃が預言され、ロストナンバー達は急行します。
竜刻を多数吸収し、様々な能力を得るに至ったマスカローゼ(分体)との闘いは熾烈を極めました。そんな中、ロストナンバーの一人小竹卓也が、かつてロストナンバー達によって倒された老人の遺産たる竜刻群を支配し、竜の魂をその身に宿す事で、神竜として崇められる存在と同化、マスカローゼを倒した後、ディラックの空へと姿を消しました。
■世界を喰らう竜
千草街――魔法少女大隊の出身世界と思しき世界と別の世界が融合した不可思議な世界。
その謂れを知らぬまま調査のために訪れたロストナンバー達。彼等を不慮の事故が襲いました。虚幻要塞『叢雲』がついにその本領を発揮しはじめ、ロストナンバー達ごと世界を吸収してしまったのです。
吸収されることを免れ『叢雲』の体内に取り残されたロストナンバー達と辛うじて連絡がつけられた事から、ロストレイルが現場へと急行、ロストナンバー達を回収することに成功しました。
しかし内部においてロストナンバーそれぞれが行動した結果、マスカローゼを庇い攻撃を受けた川原撫子が取り残されてしまうことになったのです。
また、この時何者かの意志によってドクター・クランチは叢雲から排除されました。
■彗星落とし作戦
修正Mプランの全容が明らかになりました。
魔法少女大隊は『朱い月に見守られて』における起死回生の一打としてロストレイル駅のある遺跡にハレー彗星を落とすことにしたのです。
しかし、阻止に向かったロストナンバーの一行とは連絡が途絶してしまいました。
そして、調査に向かった者達が見たのは、ディラックの空に漂う犬猫の惑星《竜星》と、それに喰らいついている虚幻要塞『叢雲』でした。
『朱い月に見守られて』は滅んでしまったのです。
結果
→結果ノベルはこちら!
■その後
→竜星の航海(犬猫救済作戦)
■関連する出来事
→【竜星の堕ちる刻】女為説己(川原撫子の体験)
→【竜星の堕ちる刻】神竜問答(小竹卓也の体験)